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重版出来第9話のあらすじ的なものを...
重版出来、第9話も面白かったというか、いいお話でしたね!今回も改めて漫画家という仕事の大変さを感じましたし、編集者との二人三脚で漫画という作品が世に出ている事を思い知らされました。
第9話では、漫画家高畑の雑誌エンペラーによる引き抜きの話から始まります。「ツノひめさま」の作者である高畑にとって、「エンペラー」見坊の言う「本当に書きたいものが書けていますか?」という問いは、高畑の心に刺さったでしょう。一時期心も揺らいだ高畑ですが、見坊と契約の話をしている時にここまで走って来た五百旗頭の言葉に目が覚め、「ツノひめさま」継続を心に決めます。
一方、「ピーヴ遷移」の連載決定会議に出すネームの登場人物で、中田が唯一書けなかったのは、やはり女性の登場人物でした。しかしバイブスの出版社を訪れた際に牛露田獏の娘アユに偶然出くわした事で、女性キャラクターをその場で座り込んで書く中田。寝る間もなく会議に出すネームを書き、苦心の果てにとうとう中田も「ピーヴ遷移」のネームを完成させ心に提出する。
そして、連載決定会議で心は和田編集長に「ピーヴ遷移」のテーマを聞かれ、心はこう答えます。
「この作品で中田さんが描こうとしてるのは、『恐怖と支配』です。ピーヴは人の恐怖に取り憑いて、心を操る生命兵器です。怖いと思った瞬間、ピーヴは襲ってくる。恐怖心さえ持たなければ大丈夫なのに、人は恐怖を抑えられない。ー中略ー(主人公は)弱くて小さい人間だからこそ、必死で抗うんです。彼は自分の中の恐怖心と命がけで戦います。弱いからこそ必死で恐怖という支配から自由になろうとするんです。誰もが日々、何かと戦っています。必死で戦う主人公の姿は、読んだ人たちに明日への勇気と希望を与えます。このピーヴ遷移はそういう物語です。」
心の力ある言葉を聞き、心をじっと見つめる和田編集長。深く目を閉じ...。
そして、三蔵山先生の元で日々の漫画のアシスタントとして仕事をする中田の携帯に電話が届く。
三蔵山に電話に出る許可を貰い、廊下の隅に行って電話に出る中田。それは心からの電話だった。
中田「はい」
心「中田さん!!!連載、、、、決まりました!!!!!連載、決まりました。。。。中田さん、、、」
「うぉああああ~」という叫び声と共に、廊下にへばりこむ中田。異常な叫び声に驚いた三蔵山が「どうした?」と声をかけ、アシスタントたちも近寄って来る。
中田「先生、連載取りました。連載取れたんです。」
中田は安堵すると共に少し落ち着きを取り戻し、こう続ける。
「生きてて、良かった。。。。。生まれてきて、良かった。」
深く深く涙を流す中田。その様子と声が電話越しに心にも伝わり、同じく涙を流す心。
そして第9話ラストは、中田の漫画を描く机の上にあるこんな漫画の1ページのアップで終わります。
「ピーヴ遷移 ー 悲しみを希望に変えろ!」
重版出来第9話の感想として
今回は、というか今回もやられました(涙)
重版出来は、漫画雑誌の編集部の、編集者のドラマです。が、それだけでなく漫画家やその家族、漫画家のアシスタント、本を売る営業さんや、漫画家を目指す若者、漫画家を訳あって諦めた人、有名漫画家だった人などなど、それだけにとどまりません。
が故にどこかの単なる恋愛ドラマとは違い、奥深さやリアリティーが増している、味わい深いドラマとなっていると個人的に思います。
更にこの「重版出来」というドラマが素晴らしいと思う所以は、そうした登場人物や取り巻く人々を深く多角的に描いている事のみならず、各ストーリーで様々な示唆に溢れている事です。
今回の第9話で言えば、五百旗頭が高畑に言って「エンペラー」への心変わりを思いとどまらせた言葉。
「俺も好きです、ツノひめが大好きです」
それまで五百旗頭は逃げられた奥さんにも言われた様に、悪い意味で理性的で、素晴らしい事かもしれませんが相手の事を考えてあげるが余り、肝心な自分の気持ちや想いは相手に伝えなかったのでは?人の気持ちは理屈だけでは動かない。人の心を動かせるのは心のみなんだと感じました。
そして中田氏の初連載が決まるくだりで、心との電話のやりとり、中田の連載が決まった時の永山絢斗と黒木華の演技は心打つものがありましたね!(シャレじゃないです)
心は「ピーヴ遷移」のテーマを、弱くて小さい人間の中に巣食う恐怖心、弱さとの戦いを挙げていましたね!
そして第9話最後のカットは、ピーヴ遷移の初連載の告知ページのアップで締めくくってました。
タイトル下にあった言葉 「 悲しみを希望に変えろ!」
この辺りが、この「重版出来」というドラマが、視聴者に訴えかけたいメッセージの内の一つなのかも知れませんね。
重版出来ー間違いなく、今クールのドラマで一番素晴らしいドラマだと思います。次は最終回、こちらも見逃せません!!